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太陽と月の神話208  太陽を半分に割る(台湾・アタヤル族) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、台湾の先住民族アタヤル族に伝わる
太陽神話をご紹介しましょう。

遠い昔、太陽は半年間、空に居座り、
残りの半年間は姿を現しませんでした。
つまり1年の半分は昼ばかりが続き、
残りの半年は夜ばかりが続いたのです。

人間たちはあまりの不都合さに、
昼と夜との間隔をもっと短くする方法はないか、話し合いました。
その結果、太陽を半分の大きさにしようということになったのです。

そこで3人の、見るからに強そうな青年が選ばれ、
太陽を半分にする任務を与えられました。
彼らは自分の子供を背負い、道々にミカンを植えながら
太陽が顔を出す場所を目指して、長い長い旅を続けました。

あまりに長い年月だったので、
青年だった3人は髪が真っ白のお爺さんとなり、
息を引き取りました。
そして赤ん坊だった彼らの子供たちは力強い青年になり、
父たちの任務を引き継いで旅を続けました。

ようやく太陽が顔を出す場所に辿り着いた3人の息子たち。
太陽の姿が見えるやいなや、
息子たちのひとりがすかさず矢を放ちました。
矢はみごと的中!
大量の血を流して、太陽は半分に割れたのです。
しかし矢を放った息子は返り血を浴び、死んでしまいました。

こうして彼らと父親たちの努力によって
地上の世界では昼と夜との間隔が短くなり、
暮らしやすくなったということです。


参考:森村宗冬「太陽と月の伝説」新紀元社


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