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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第48回 ライオン [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

こんにちは。
太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月の魔女( 太陽の魔女=マリィ・プリマヴェラ月の魔女=小泉茉莉花)のユニットが2022年11月にリニューアル発売した
「太陽と月の魔女カードwithグリフィン&ペガサス」のカードのシンボルにまつわる
神話や伝説などをご紹介しましょう。

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第47回目は太陽カードから「21・ライオン」。

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エジプト神話から、ライオンの姿をした女神の話です。

エジプト南部の広大なヌビア砂漠の、はてしなく奥深くに
牝ライオンの姿をした女神が住んでいました。
このライオン女神は住む人たちを恐れされる残忍な女神だったということです。

ライオン女神の父親は、太陽神。
常に多くの敵に囲まれ、戦々恐々としていたため、
この凶暴な娘、つまりライオン女神を身辺に置くといいのではないかと思いつきました。
そう、我が身の警護のために。
そこでヌビアに使者を送り、娘を呼び戻そうとしたのです。

使者はあの手この手で説得にあたり、
ようやくした曽田ライオン女神は、父神のもとへと向かいます。
その途中、フィラエ島のあたりにあるアバトンの聖なる泉でひと休み。
泉に身を浸していると…、
不思議なことに荒々しい感情はスーッと消えてなくなり、
その姿も、牝ライオンから美しい女神へと変わったのです。

こうしてこれまでとは全く違った姿形でエジプトの父神の元へと
堂々と戻っていったということです。


参考:「世界神話事典」角川選書



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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第47回 ユール [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

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太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月の魔女( 太陽の魔女=マリィ・プリマヴェラ月の魔女=小泉茉莉花)のユニットが2022年11月にリニューアル発売した
「太陽と月の魔女カードwithグリフィン&ペガサス」のカードのシンボルにまつわる
神話や伝説などをご紹介しましょう。

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第47回目は太陽カードから「08・ユール」。

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12月22日は冬至(ユール)。
1年中でいちばん昼が短い日であり、
太陽の力が最も弱まる日です。
しかし、この日を境に太陽の力がよみがえるため、
いわば復活再生の日とも言えます。

キリストの誕生日12月25日と時期は同じころ。
というわけで、現在のヨーロッパでは
ユールはクリスマスと合体した行事とされています。

またアドベント(降誕節)、つまりキリストの降誕を待ち望む期間は
まさにユール期間そのもの。
キリスト教の宗派によって、アドベント期間に多少のズレはありますが、
ほぼ12月の初めからクリスマスまで。

ゲルマン民族の間では、このアドベント期間の木曜ごとに
「戸叩きの夜」が訪れます。
顔を隠し、変装した若者が家々の戸を叩いて歩き、
クリスマスの訪れを知らせるのです。

木曜日はゲルマンの雷神ドナールの日であり、
戸叩きは、天の意思をドナールの雷鳴によって告げること模したもの。

戸叩きの若者たちは、薪にモミの若枝を添えてリボンを結び付け、
プレゼントとして、こっそりと玄関や窓の下などに置いていくそうです。
クリスマスの夜には、このプレゼントの薪を燃やして
キリストの誕生を祝うのだとか。
何とも素敵な風習ではありませんか!
…もちろん、このプレゼントは思いを寄せる若い娘に向けたものが多いのですけれど。


参考:植田重雄「ヨーロッパの祭と伝承」講談社学術文庫



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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第46回 フクロウ [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

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太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月の魔女( 太陽の魔女=マリィ・プリマヴェラ月の魔女=小泉茉莉花)のユニットが2022年11月にリニューアル発売した
「太陽と月の魔女カードwithグリフィン&ペガサス」のカードのシンボルにまつわる
神話や伝説などをご紹介しましょう。

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第46回目は月カードから「18・フクロウ」。

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フクロウは、「森の賢者」「知恵の象徴」などといわれていますが、
その起源は、古代ギリシアの女神アテナの従者とされていることにあるようです。
女神アテナは、農業神であるのと同時に
知恵や学問、芸術の神でもあり、
そこからフクロウもまた知恵、学問などを体現する存在とされたのでしょう。

実は、日本にもフクロウに関する記述が残っています。
いにしえの昔、フクロウは新生児に新しい霊魂を運んでくる霊鳥と考えられていました。

『日本書紀』仁徳天皇紀元元年、つまり西暦313年の項には
以下のような内容の記述があります。

仁徳天皇が生まれた日に、その産屋にミミズク(木菟)が飛び込んできた。
その前日には大臣・武内宿禰(たけのうちのすくね)に子どもが生まれ、
その折にはサザキ(ミソサザイ)が飛び込んできた。
これを吉兆ととらえ、天皇と、大臣の子とに命名。
しかも命名を交換して。
つまり、天皇はオオサザキ皇子、大臣の子には木菟宿禰(つくのすくね)と名付けたのである。

武内宿禰は360歳まで生きたと言われる超・長寿で、
仁徳天皇までの5代の天皇につかえた、宰相の神とされる賢者です。
そこから、天皇は生まれながらにして知恵が授かっていることを表すのが
ここで述べられているフクロウなのかもしれませんね。


参考:戸部民雄「神様になった動物たち」大和書房



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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第45回 タンポポ [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

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神話や伝説などをご紹介しましょう。

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第45回目は太陽カードから、23タンポポ。

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遠い遠い昔のこと。
中国・洛陽の都に、公英(こうえい)という娘がいました。
愛らしく、賢く、両親の自慢の娘です。

あるとき、公英は乳房に強い痛みを感じました。
見ると赤く腫れあがっています。
けれど場所が場所だけに、恥ずかしくて、誰にも話すことができません。
しかし母親が公英の様子がおかしいことに気付き、
そして乳房の異変を知ったのです。
母親は医学の知識が乏しいためか、公英の身の純潔を疑い、
親の知らぬ間に男性と関係を持ったのだと思い込み、
公英をひどく問い詰めました。

母親から、身に覚えのない疑いをかけられた公英は、
死んだほうがましだと考え、家を飛び出し、
崖の上から川へと身投げしてしまいました。

川には漁をしている青年がいて、
公英が飛び降りるところを目の当たりにしていました。
慌てて川に飛び込み、公英を助け出します。
そして尋ねました、「どうして身投げなどしたのか?」。

一度、死んだ身の公英は、素直にすべてを話しました。
乳房が赤く腫れあがり、それを母親に疑われ、
嘆きのあまりに身を投げたのだと。
すると青年は急いで山に入り、ひと束の草を持ち帰りました。
ギザギザの葉に、茎の先には綿毛がついたその草は、タンポポ。
生年はタンポポの葉を煎じて飲ませ、患部に貼り、公英を介抱したのです。

その数日後、公英の乳房の痛みは消え、腫れも引き、
すっかり元通りに。
乳房の異変に死を選ぶほどだった公英は大喜び。
そして青年の妻となり、仲良く暮らしたのだとか。

その茎を折ると白い乳状の液体が出てくることから、
タンポポには乳房の病気や、母乳の出に効果があると言われています。


参考:秦寛博「花の神話」新世紀文庫(新紀元社)



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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第44回 月桂樹 [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

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太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月の魔女( 太陽の魔女=マリィ・プリマヴェラ月の魔女=小泉茉莉花)のユニットが2022年10月に発売した
「太陽と月の魔女カードwithグリフィン&ペガサス」のカードのシンボルにまつわる
神話や伝説などをご紹介しましょう。

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第44回目は太陽カードから、25月桂樹。

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13世紀に活躍した偉大なる哲学者アルベルツス・マグヌスは
自然の善なる力による奇蹟を信じていたと言われています。
たとえば宝石や植物には媚薬の原料となるものが多く、
病気を治す力があり、予言の能力さえ秘めていると考えていたようです。

そのアルベルツスが著わした「植物および宝石の不思議な効力」という小冊子には
さまざなな不思議な力について書かれています。
その中から月桂樹にまつわるお話をご紹介しましょう。

8月、ヘリオトロープという、太陽に似た姿の花を摘んで、
オオカミの歯とともに月桂樹の葉に包み、
いつも忘れずに身につけておきなさい。
そうすれば、あなたの悪口を言う人は誰ひとりとしていなくなるだろうし、
中傷する人も去っていくだろう。
月桂樹の包みを枕の下に入れて眠りについたなら、
あなたの家に泥棒に入ろうとする者の姿を夢の中で見るに違いない。
もし教会の中に隠しておけば、
夫に内緒で不貞を働いている女性を教会の中に閉じ込め、
一歩も外に出られないようにすることができる。

すごいパワーです!
月桂樹の包みを作ってみたくなります。
でも…、オオカミの歯はどうやって手に入れたらいいんでしょうね?


参考:「黒魔術の手帖」澁澤龍彦(河出文庫)

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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第43回 媚薬 [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

こんにちは。
太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月の魔女( 太陽の魔女=マリィ・プリマヴェラ月の魔女=小泉茉莉花)のユニットが2022年10月に発売した
「太陽と月の魔女カードwithグリフィン&ペガサス」のカードのシンボルにまつわる
神話や伝説などをご紹介しましょう。

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第43回目は月カードから、14媚薬。

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20世紀前半に活躍したオーストリアの作家ヘルツマノフスキー=オルランドの作品に
「皇帝に捧げる乳歯」という小説があります。
この小説には媚薬の話が取り上げられています。
そのくだりをご紹介しましょう。

ウィーンの宮廷書記官であるアインフーフは
街で大人気の歌姫に恋をしました。
猛アタックするのですが、いっこうに色よい返事がもらえません。
ドナウ川に身投げをするかも、というくらいに落ち込んでいたところ、
友人グロースコプフが妙案を授けました、
「中世魔術の秘法を使いたまえ」。

ウィーン旧市街の一角に愛の霊薬、つまり惚れ薬を調合できるお婆さんがいる。
かの妖術師カリオストロの料理番をしていた女性だ。
そのお婆さんを訪ねて霊薬を調合してもらうといい、と。

アインフーフはさっそくお婆さんの家に足を運び、
その霊薬を求めました。
「何でもないことだよ。
奇数日の金曜日にマンドラゴラの根を買っておいで。
その際には右の肩越しに、指を折り曲げたまま受け取ること。
それを私が煮立て、黒いむく犬の尻尾を燃やし、
白鳩の糞をふりかけ、
乾燥させたワニの脳髄も加えるんだ」。

宮廷書記官ワインホーフは薬草店に出向き、
お婆さんに言われた通りの買い物をして
一世一代の恋を叶えようとするのですが…。

…そんな一節が記されています。
ワインホーフが求めた霊薬こそ、媚薬。
この小説の妖しさを、いやがうえにも増す小道具として登場しているのですね。


参考:「悪魔の話」池内紀(講談社現代新書)




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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話 第42回 月カード 05 満月 [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

月の魔女・小泉茉莉花です。
太陽と月の魔女( 太陽の魔女=マリィ・プリマヴェラ月の魔女=小泉茉莉花)のユニットが2019年4月に発売した
「太陽と月の魔女カードwithフェニックス&ドラゴン」のカードのシンボルにまつわる
神話や伝説などをお話する新企画です。
               
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第41回は 月カード 05 満月にまつわるお話です。

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インドにチャンドラという王様がいました。
チャンドラは月という意味です。
チャンドラは南西部に王国を築きました。

チャンドラ王朝では10月の満月の晩に、「アフアの花祭り」という
月をたたえるお祭りを開催していました。
アフアは大変大きな木で白い花を咲かせます。
この花は月の光の下では薄いピンクにみえるのだそうです。
このアフアの花から酒を造り、満月の晩に願いをかけながら飲むと
願いが叶うと信じられていました
このアフアの花祭りは何千年もたった今でも行われているのだそうです。

ちなみにアフアと同じ種類の花が沖縄にもあるそう。
それは、月桃でやはり白い花で甘い香りがするのだとか。

参考文献 月の本 写真 林完次 光琳社出版
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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第41回「聖ブリギッド祭」&「竜」 [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

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太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月の魔女( 太陽の魔女=マリィ・プリマヴェラ月の魔女=小泉茉莉花)のユニットが2022年10月に発売した
「太陽と月の魔女カードwithグリフィン&ペガサス」のカードのシンボルにまつわる神話や伝説などをご紹介しましょう。

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第44回目は、太陽カード01「聖ブリギッド祭」、そして月カード29「竜」。

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毎年2月1日、2日は、春の訪れを祝う「イモルグの祭」が開かれます。
その日、春の女神であり、鳥獣の守護神でもあるブリギッドは
ある竜に戦いを挑みます。
その竜とは、魔法使いケルフ・ベリの手下。
ケルフ・ベリは、冬の厳しさを象徴するような青い顔をしており、
人間を貪り食う存在です。

ブリギッドは竜を退治しようと、子羊とともに進軍します。
その子羊は勇敢に竜と闘った末、
竜と、冬のシンボルであるケルフ・ベリを打ち負かすのです。

毎年、こういった戦いが繰り広げられ、
そのたびにケルフ・ベリは負け、神聖な木の下に逃げ込みます。
そこに自分の荷物を下ろし、
4月30日になると石に姿を変え、次の冬がやってくるまで、
ずーっと石のままで待ち続けるのだとか。


参考:「世界の神話」マイケル・ジョーダン著(青土社)


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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第40回 月カード20 海 [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

a href="http://tuki-yomi.net/media.html" target="_blank">月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月の魔女( 太陽の魔女=マリィ・プリマヴェラ月の魔女=小泉茉莉花)のユニットが2019年4月に発売した
「太陽と月の魔女カードwithフェニックス&ドラゴン」のカードのシンボルにまつわる
神話や伝説などをお話する新企画です。
               
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第40回は 月カード 20 海にまつわるお話です。

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ニューヘブリデス諸島のタンナに伝わる、海の起源についてのお話です。
タンガルアはアニワの女性セイマタを妻として、小さな男の子がひとりいました。
アニワの人たちはタンガルアがうなぎかへびのような形をしているのを嫌い
殺してしまいました。
タンガルアの死体を埋めたところには、木のほかに、
たくさん甘美な水がわきだしていました。
セイマタはそのまわりにがんじょうな石塀を作り、
息子に誰にもこの泉の話をしてはいけないと命じました。
ところが、息子は秘密をもらしてしまいました。
これに怒った母親は泉の石塀をこわし、水は大河となって
流れ出し、海になりました。


参考文献 神話の話 大林太良 講談社学術文庫
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太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわるお話 第39回 五月祭前夜 [太陽と月の魔女カードのシンボルにまつわる話]

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「太陽と月の魔女カードwithグリフィン&ペガサス」のカードのシンボルにまつわる
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第37回目は太陽カードから、03五月祭前夜。

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5月1日はメイ・デー(五月祭)。
ヨーロッパの農民のお祭りであり、春の訪れを祝う日です。
それと同時に、メイ・デーは労働者の日でもあり、
労働者と雇用者とが一時休戦し、ともに春を祝います。

で、このメイ・デーの前の晩にあたるのが、五月祭前夜=べルテイン。
この晩、魔女のサバトが開かれるというのです。
有名なところで言えば、ドイツ・ブロッケン山の「ワルプルギスの夜」ですね。

さて、太陽と月の魔女カードの「五月祭前夜」の絵柄は、
五月祭の花形であるメイポールが描かれています。
このメイポール、そもそもは古い樹木の元に人々が集まり、
共同体の重要な議題を討議する場であったのだとか。
また19世紀中頃まではメイ・デーにはこの樹木に花を飾り、
まわりに人々が集まっては歌い、踊ったと言われています。

4月の終わりが近づくと、町や村の広場にメイポールが立てられ、
ポールの上の方には花やリボンが吊り下げられます。
ドイツでは、5月1日の朝、白いドレスの少女たちが花を撒き、
行列の先頭に立ちます。
そのあとにコーラス隊、ブラスバンド、民族衣装の若い女性や若者が続き、
街の中を練り歩いたあと、メイポールの立つ広場へ。
そこでは市長や村長が五月祭の宣言をし、
その年に選ばれたメイブライド(五月花嫁)が手にするロウソクの火を
メイポールの大きなロウソクに移して
「5月よ、5月よ、楽しい5月よ」と歌いながら
皆で輪を作って踊るのだそうです。

面白いことに、子供用に背の低い小型メイポールを用意することもあるんですって。

なんにせよ、ヨーロッパの長く厳しい冬から解放されるのが、5月。
メイポールは、美しい季節である5月の訪れを祝うシンボル的な存在なのです。


参考:「ヨーロッパの祭と伝承」植田重雄著・講談社学術文庫





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