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太陽と月の神話 第178回 月の老婆(ミャンマー) [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回は ミャンマーに伝わる月のお話をご紹介します。

昔、ひとりの老爺が兎と一緒にくらしていました。
老爺は貧乏で、他の人の稲の脱穀をうけおってわずかばかりの駄賃で細々と暮らしていました。

ある晩、おじいさんは月をみあげて「つれあいがほしい」と独り言をいいました。
それをきいた月の女神が一人暮らしを気の毒に思い、
翌日、老婆に姿をかえて、老爺の元をたずねて、それから二人で兎と一緒にくらし始めました。

ところが、老婆は夕方になるときまって姿がみえなくなりました。
不審に思った老爺は、「日が暮れるとどこにいくのか?お前は誰か?」と問い詰めました。
老婆は仕方なく、「自分は夜になると天にのぼって下界を照らす月だ」と素性をあかしました。

老爺はいつも一緒にいたいので一緒に連れて行ってくれと頼みました。
そして、老婆と一緒に空に昇りました。

月の影は稲を打ち続ける老爺と、そのまわりを喜んで飛び跳ねる兎の姿だとか。


参考文献 世界神話事典  大林太良他編 角川ソフィア文庫
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