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太陽と月の神話218  漁師と金髪の女(ジョージア) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、南コーカサスのジョージアに伝わる太陽にまつわるお話をご紹介しましょう。

昔むかしのこと。
ひとりの漁師が森で、太陽のようなものが水の中で光っているものを見ました。
見ているうちに頭がぼ~っとしてきて…、
ふと気づくと、ひとりの女が泣きながら栗のイガで髪を櫛けずっている姿が見えたのです。
金色の髪のその女の頭皮からは、血が流れていました。

気の毒に思った漁師は、彼女に誘われるようにして森の中へと入っていきます。
そして岩穴の中に入りました。
すると女は金色の髪を漁師の首に巻き付け、首を絞めようとしたのです。

そのとき、岩穴の中で寝ていた女の子供が起き上がり、
「僕のナイフはどこ?」と叫びました。
女はハッとして髪の毛を漁師の首からはずしました。

子供は言います、
「僕はあなたの子だよ、お父さん!
お母さんがあなたから逃げて森に来たとき
お母さんのおなかの中に僕がいたんだ。
お父さんが髪の毛を引き抜いたので、
そのいやがらせのために髪の毛で漁師たちの首を絞めるんだ」。

すると女は金色の髪の毛を根元から切り落とし、
「私を妻にして、お前の子供を産ませたいなら
私の髪をとるがいい」と言いました。
漁師が拒否すると、とたんに女の髪は元通りに生え、
その髪の毛でまたも漁師の首を絞めました。
そして髪を巻き付けたまま、漁師を高い岩の上から吊り下げたのです。
今も男はそのまま吊るされているのだとか。

太陽が雲に隠れると、地上からこの漁師の姿が見え、
太陽が現れ、暑くなると、この女の姿が見えると言われています。



参考:「太陽と月と星の民話」三弥井書店


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太陽と月の神話 第217回 月で糸をつむぐ娘 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日はドイツに伝わるお話。

大昔 北海に近い農村に美人の娘が住んでいました。
その娘は仕事はひとつもしないで、いつも鏡に向かって化粧ばかりしていました。
母親は気が気ではなく、糸紡ぎをさせようとあれやこれや試してみますが
いっこうに働く気がありません。

ある晩、娘は男友達と踊ったり、ふざけたり、深夜まで騒いでいました。

早寝した母親でしたが、うるさくて寝ていられず、
我慢しきれずにおきだして、
たくさんの男たちのまんなかで踊っている娘に
「月にでも飛んで行って、ぐるぐる踊りまわっているがいいさ」と怒鳴りました。

途端に娘は激しい突風にまきあげられて
天高く飛んで月に達しました。

なまけた罰として、月の中で来る日も来る日も休まず
糸を紡ぎ続ける娘の姿がみえるそう

世界神話事典 大林太良編 角川ソフィア文庫
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太陽と月の神話216  ヴィドマタの息子スーリヤ(インド) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、インドに伝わる太陽にまつわるお話をご紹介しましょう。

赤ちゃんたちの守り神ヴィドマタには2人の息子がいました。
ひとりはスーリヤ、もうひとりはチャンドという名です。
ヴィドマタは2人をそれはそれは大切に育て、
創造神ヴィダーターに「一番の望みは何か」と尋ねられたとき、
「ふたりが永遠に生きること」と答えたくらい!

息子たちスーリヤとチャンドは、まったく性格が違い、
スーリヤは荒っぽく、平気で人を殺したり、いじめたりする乱暴者。
一方のチャンドは物静かで、ちょっと臆病で、
兄スーリヤの機嫌をうかがいながら暮らしていました。

ある日、母神ヴィドマタはあまりの暑さから
背中がかゆくてたまらなくなり、
スーリヤに「掻いてくれないか」と頼みました。
すると乱暴者のスーリヤは大きくて固いほうきで
母親の背中を掻き出したのです。
おかげでヴィドマタの背中には傷ができ、血が流れてしまいました。

スーリヤのひどい仕打ちに、母が泣いているのを見た弟チャンドは、
背中にバターを塗ったり、団扇であおいだりして
介抱してやります。

母神ヴィドマタは兄スーリヤを呪いました、
「私にやけどをさせたお前など、いつもこの世で燃えているがよい!」。
そして弟チャンドを
「お前はおこの世の皆の気に入ることだろう」とほめたのです。

その日からチャンドは激しく熱く燃える太陽となり、
チャンドはいつも涼しげな月となったということです。


参考:「太陽と月と星の民話」三弥井書店


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太陽と月の神話 第215 回 シャマンの遺言 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日はロシアのエネツに伝わるお話。

大変力のあるシャマンがいました。
そのシャマンは、自らでかけていかなくても、自分の手袋や帽子を知人の家に送り届けて
病気を治すことができ、月や太陽に向かって願いをとなえて叶えることができた。
そして、シャマンはこう言い残して死んだ。
「わしの死後、この民族は増えて、大地に満つだろう。
わしは死んだら月に行って暮らす。
満月にはわしが太鼓をもっている姿がみえるだろう。
これからは月とかかわりなく生まれる子供はいなくなる」

それ以来、産婆はこういうのだ。
「この月が過ぎて次の月が出たら、子供が生まれる」と。

参考文献 世界の太陽と月と星の民話 外国民話研究会 三弥井書店 



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太陽と月の神話214 ふたつの太陽の誕生(済州島) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、済州島に伝わる太陽にまつわる神話をご紹介しましょう。

原初、この世は天と地との区別がなく、
混沌としていました。
しかし、いつともなく空らしいところの一角と
大地らしいところの一角とが開き、
空と大地がはっきりしてきたのです。

この区切りが徐々に広がりだすと
今度は大地に山が盛り上がり、
水が流れ出すようになりました。
また空からは青い露が降り、大地からは黒い霧が吹き出し、
それぞれがまじりあい、
陰陽のバランスが取れた結果、万物が生まれ始めたのです。

まず最初に星が生まれました。
しかし、その数が増えようとも暗黒の世界が続きました。
その暗い世界では、
東には青い雲、西には白い雲、南には赤い雲、北には黒い雲、
そして真ん中では黄色い雲がもわもわとしていました。

あるとき天皇鶏が首をおこし、地皇鶏が翼を大きく広げ、
人皇鶏が尾を振りながら大きな声で鳴きました。
すると東の方角から闇が明け始めたのです。

このとき天上に住まう玉上皇帝天地王が太陽をふたつ出しました。
同時に月もふたつ出したのです。
こうしてこの世が生まれ、太陽もまた生まれたというわけです。


参考:「世界神話辞典」角川書店


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太陽と月の神話 第212回 空の世界 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、アメリカに伝わる空の世界のお話。

昔、いろんな動物たちはみんな三番目の世界に住んでいたのですが、
四番目の世界に引っ越すことにしました。

3番目の世界のリーダーはいつも一緒に助け合う事が肝心と念をおしました。
でも、コヨーテだけは、いつもいたずらするし、ずるするので嫌われていたので、
連れていかないことにしました。

でかける用意ができて、みんな四番目の世界にむかって上へあがっていきました。
やっとたどり着きましたがそこは真っ暗。
何もみえなくて、みんながぶっかりあったりするのでだんだんとこわくなって、
うさぎとリスが三番目の世界にもどってリーダーにききました。

リーダーは火をおこして、燃えている間に分厚いマットを織って、
火の中から熱い炭を集めてマットに包み、ぎゅっと先を結んで、
ウサギとリスに第四の世界にもっていくようにいいました。

二人は第四の世界に戻って、空にそれをなげると太陽になりました。
でも、太陽は少しずつ西の方へと動き出して、とうとう見えなくなり、再び真っ暗に。

困ったみんなはまた第三の世界にウサギとリスを戻して、
リーダーに聞きました。

リーダーは前より、もっと大きな炭を作って、マットの上におせて
大きな包みにしました。

それを第四の世界に戻って、空になげると月になりました。

太陽と月だけでは何かが足りない。
またうさぎとリスは第三の世界に戻ってリーダーにききました。

今度は前のよりさらに大きな火をもらって、第四の世界に戻りました。
あまりに重く、熱かったのを我慢したのでウサギの目は赤くなりました。

それをみたコヨーテが二人の後をつけて、のぞいていました。
大きな包みをあけて、アナグマがみんなの絵を熱い炭でマットの上にかいていました。

それをみたコヨーテが飛び出して、それを空になげてしまいました。

炭はばらばらに散って、たくさんの星になりました。
アナグマの描いた動物たちの姿が空にうかんでいます。
これが星座です。
星がかたまったところは銀河です。

コヨーテの悪事をリスは三番目の世界に戻ってリーダーに言いつけます。
リーダーは自分も四番目の世界にいって、コヨーテにでていくように命じ、
マットにいれて、南東の方角に投げ込みました。

リスを北西のすみに送り出して、動物たちの番をするように命じました。

この星座は北斗七星とよばれています。

太陽と月と星はこんな風にできあがったのだそうです。

参考文献 世界の太陽と月と星の民話 外国民話研究会 三弥井書店 



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太陽と月の神話213  ラーフとケートゥ、日食・月食を起こす(インド) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、インドに伝わる太陽のお話をご紹介しましょう。

あるとき、神々と悪魔とが海をかき混ぜ、
カメいっぱいの“生命の水”を取り出しました。
ヴィシュヌ神が美しい少女モーヒニーの姿となって
神々にこの”生命の水“を少しずつ分けていきました。
むろん、太陽神、月神にも。

しかしラーフという名の悪魔が太陽神と月神の間に座り込んだため、
美少女モーヒニーはラーフにも”生命の水“を分け与えてしまったのです。
太陽神と月神が「ラーフは悪魔だ!」と教えたのだけれど
時すでに遅し。
ラーフは”生命の水“を飲み干してしまったのです。
それを知った美少女モーヒニー、実はヴィシュヌ神は、
すぐさまラーフの首を切り落としました。

けれど”生命の水”を飲んでしまったため、
ラーフは死に至ることはなく、
首がケートゥとなり、身体はそのままラーフとなって、
天の7つの星座に加えられたのです。
そればかりか、太陽神と月神のせいで首を切られたことを恨み、
ときどき太陽と月の仕事の邪魔をしに来るのです。
それが日食であり、月食であるというわけです。


参考:「太陽と月と星の民話」三弥井書店


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太陽と月の神話 第211回 ポリネシア ヒナ もうひとつのお話 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、ポリネシアに伝わる月の女神ヒナのお話です。
2012年1月にご紹介した月の女神ヒナのもうひとつのお話です。
https://sunandmoon.blog.so-net.ne.jp/2012-01-08

あるとき、ヒナはタパ(樹皮布)を作るために威勢よく木の皮をたたいていました。
創造神タンガロアはカヴァ酒を飲みすぎていたので、
ヒナのたたく音がうるさくて我慢できなくなりました。

そして使いの者をやってヒナにやめるようにいいましたが、
ヒナはやめませんでした。
タンガロアは怒ってヒナをたたくようにいいました。
使いの者がヒナを強くなぐったので
ヒナの魂は体からぬけて月に昇っていきました。

今もヒナは月に住んでタパをたたき続けています。
月の中の影はその姿。

参考文献 世界神話事典 大林太良他編 角川ソフィア文庫
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太陽と月の神話210  太陽をワナにかけた少年(カナダ・キャリアー族) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、カナダの先住民であるキャリアー族に伝わる
太陽のお話をご紹介しましょう。

ある日、キャリアー族の少年が狩りに出かけたときのこと。
高い木に登り、どんどん上へと登っていくと、
とうとう天に着いてしまいました。
そこでワナを仕掛けてみたところ、
太陽がかかってしまったのです。
少年はあまりの熱さに、ワナをはずすことができません。
このまま焼け死んでしまうかと覚悟を決めたとき、
ネズミが現れました。
これ幸いと、ネズミに「どうかワナを噛み切ってくれないか」と頼みました。
黒焦げになってしまいそうな少年を哀れに思ったネズミは
一生懸命にワナをかじってくれました。
こうやって少年は無事に天から地上へと降りることができたということです。


参考:「太陽と月と星の民話」三弥井書店


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太陽と月の神話 209回 月の沙羅樹 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回は、漢に伝わるお話をご紹介します。

昔、大きな河のほとりに二軒のボロ家があり、
周りには数十本の柳がありました。
張天と李地は毎日、柳のほとりで魚をとっていました。
二人は数十年来の隣人で魚とりから帰ったら、月の下で語り合い楽しく暮らしていました。

春の花香る頃、李地が川にいくと、お茶碗ほどの蟹が柳の下をうろうろしていました。
李地は大喜びで捕まえて、甕に放して育てました。

3・4年後には蟹はお盆ほどの大きさになっていました。
8月15日の前の晩、李地は明日は少しばかりの酒と里芋を用意して、
帳天とともにお月見しようと思っていました。

すると、突然、後ろから、「ご主人」と呼ぶ声がしてふりむいてみると
あの大蟹が甕のふちから目を突き出してみていました。
「私を育ててくださって3・4年になります。
何のお礼もしてないので、明日の晩はあなたを月の宮殿につれていきましょう。
遊んで、ちょっと泥棒してきましょう」
「どうやって飛ぶんだ?」と尋ねると、
「私の背中に乗ればいいんです」と蟹がいいました。

次の晩、蟹は李地をのせて月をめざして飛び上がりました。
空はとてもきれいで、いくつもの星の間を経て、
突然、体がふわっとしたら月についていました。
李地は木陰に隠れて広大な宮殿を眺めました。
月の女神がウサギを抱いて、うるんだ目で下界を見下ろしていました。
着飾った仙女が一斉に笙や笛を吹きだしました。
李地は驚いて、「帰ろう」といったのだけど、
蟹はちょっととってきますといって、
沙羅樹の枝を一本抱えて月宮の裏からでてきました。

李地は蟹にとびのって、自分の家に帰ってくると
帳天は酔いつぶれてもう寝ていて、夜もあけようとしていました。
蟹は沙羅樹の枝を鉢にさして左右にふるとたくさんの金銀がおちてきました。

李地は魚とりにでるのをやめてしまい、蟹は甕に戻った。
隣の帳天は誘ってもこない李地を心配していたが、いつもご飯に肉というご馳走なので、
怪しんで、夜、訪ねていきました。
すると李地は小枝をゆすっていて、金銀がおちてきました。
「これは何だ?」「沙羅樹だよ」
「どこで手にいれた?」「蟹にのって月の宮殿から盗んだ」
「蟹は?」「甕の中」
帳天は蟹に飛び乗って、まっすぐ月に行きました。

沙羅樹に昇り、斧で切りつけました。
枝がざわざわして、仙女たちはさけびました。
「泥棒。また沙羅樹を盗みに来たんだね。逃がさないよ」と
腰の帯をほどくと樹のまたに帳天を吊り下げました。

蟹は飛んで帰り、海に逃げ込みました。
明るい満月の晩によくみるとぼんやりと沙羅樹がみえるでしょう?
木のまたにはぶら下げられた帳天もみえるはず。





参考文献 世界の太陽と月と星の民話  三弥井書店
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