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太陽と月の神話216  ヴィドマタの息子スーリヤ(インド) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、インドに伝わる太陽にまつわるお話をご紹介しましょう。

赤ちゃんたちの守り神ヴィドマタには2人の息子がいました。
ひとりはスーリヤ、もうひとりはチャンドという名です。
ヴィドマタは2人をそれはそれは大切に育て、
創造神ヴィダーターに「一番の望みは何か」と尋ねられたとき、
「ふたりが永遠に生きること」と答えたくらい!

息子たちスーリヤとチャンドは、まったく性格が違い、
スーリヤは荒っぽく、平気で人を殺したり、いじめたりする乱暴者。
一方のチャンドは物静かで、ちょっと臆病で、
兄スーリヤの機嫌をうかがいながら暮らしていました。

ある日、母神ヴィドマタはあまりの暑さから
背中がかゆくてたまらなくなり、
スーリヤに「掻いてくれないか」と頼みました。
すると乱暴者のスーリヤは大きくて固いほうきで
母親の背中を掻き出したのです。
おかげでヴィドマタの背中には傷ができ、血が流れてしまいました。

スーリヤのひどい仕打ちに、母が泣いているのを見た弟チャンドは、
背中にバターを塗ったり、団扇であおいだりして
介抱してやります。

母神ヴィドマタは兄スーリヤを呪いました、
「私にやけどをさせたお前など、いつもこの世で燃えているがよい!」。
そして弟チャンドを
「お前はおこの世の皆の気に入ることだろう」とほめたのです。

その日からチャンドは激しく熱く燃える太陽となり、
チャンドはいつも涼しげな月となったということです。


参考:「太陽と月と星の民話」三弥井書店


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