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太陽と月の神話 第217回 月で糸をつむぐ娘 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日はドイツに伝わるお話。

大昔 北海に近い農村に美人の娘が住んでいました。
その娘は仕事はひとつもしないで、いつも鏡に向かって化粧ばかりしていました。
母親は気が気ではなく、糸紡ぎをさせようとあれやこれや試してみますが
いっこうに働く気がありません。

ある晩、娘は男友達と踊ったり、ふざけたり、深夜まで騒いでいました。

早寝した母親でしたが、うるさくて寝ていられず、
我慢しきれずにおきだして、
たくさんの男たちのまんなかで踊っている娘に
「月にでも飛んで行って、ぐるぐる踊りまわっているがいいさ」と怒鳴りました。

途端に娘は激しい突風にまきあげられて
天高く飛んで月に達しました。

なまけた罰として、月の中で来る日も来る日も休まず
糸を紡ぎ続ける娘の姿がみえるそう

世界神話事典 大林太良編 角川ソフィア文庫
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