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太陽と月の神話202  太陽の娘ファヴェッタ(イタリア) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、イタリアに伝わる太陽にまつわるお話をご紹介しましょう。

遠い昔、とある小国に、美しい王女様がいました。
占星術師が「王女様は太陽の光線で身ごもる」と予言したので、
王様は慌てて娘である王女様を窓のない塔に閉じ込めました。

暗い塔の中の生活は退屈で仕方なく、
王女様は少しずつ壁に穴を開けました。
そしてある朝、とうとう太陽の光が部屋に差し込んできたのです。
興奮のあまり、倒れてしまった王女様は以来、重病になってしまいました。

しかし、それは病気ではなく、妊娠だったのです。
月満ちて王女様は可愛らしい女の子を産みました。
が、侍女たちは王様の怒りを買うことを恐れ、
女の子をソラマメ畑に捨ててしまいました。

たまたま別の国の王子様が畑を通りかかり、
女の子を拾い上げて王宮に連れ帰りました。

そして時が流れること、18年。
ファヴェッタ(ソラマメちゃん)と名付けられた女の子は美しく成長し、
王子様の心をとらえてしまいました。
王子様は、父である王様にファヴェッタとの結婚を願い出たのですが、
許してもらえず、
泣く泣く別の女性と結婚しました。

ファヴェッタはお祝いにと、火を燃やし、
鍋にラードを熱して両手を突っ込み、中から金の手袋を取り出しました。
これに嫉妬した王子のお嫁さんは、同じことを真似して、
ひどいヤケドを負った末に死んでしまいました。

王子様は別の女性と再婚しました。
このときも、ファヴェッタは火が燃え盛るかまどに入り、
金のピッツァを取り出して、お祝いに贈りました。
再婚相手の女性もまた、嫉妬のあまり、
ファヴェッタと同じようにかまどに入り、死んでしまいました。

王子様はさらにまた別の女性と結婚しました。
今度はファヴェッタは結婚式を執り行う建物の屋根に上り、
椅子に座ってユラユラと揺れて見せたのです。
再再婚の女性もまた、嫉妬のあまり、
ファヴェッタのように屋根に上ったのですが
庭に転げ落ちて、死んでしまいました。

ファヴェッタの不思議な力を3度も見せつけられた王様は
とうとう王子様とファヴェッタの結婚を許したのですが、
ファヴェッタは言いました、「私はひとりでこっそりと花嫁衣裳を着たいの」。
そして自分の部屋に閉じこもると、つぶやきました。
「私は太陽の娘よ! とても屈辱的だわ!」。
そして太陽の光線のように光り輝くマントを身につけ、
空高く飛んで行ってしまった…ということです。


参考:「太陽と月と星の民話」三弥井書店


posted by taiyonomajo at nice!(2)  コメント(0) 
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