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太陽と月の神話 102 太陽に挑戦した月 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、マレーシアに伝わる月のお話です。

この美しさと明るさにかなうものはないだろうと月はいつも思っていました。
その輝く光で夜空の星たちを圧倒していたからです。

でも、星たちは声をそろえて太陽のほうがずっと偉いと言いました。
太陽が昇るときに人々はその姿をみたがります。
太陽が空高く昇ると、人々は健康のために体を横たえ日光浴をします。

星たちはみんな太陽が大好きでした。
太陽は月より強く、それでいて月より傲慢ではないからです。

月は太陽をねたみました。
そこで朝の空に残って太陽に挑戦することにしました。
人々が太陽と月のどちらかを選ぶか試そうとしたのです。

ある朝、月は太陽が昇っても、まだ空に残っていました。
けれども、月の光はすぐに太陽のまぶしい光にかき消されてしまいました。

月は悔しくてたまりません。
日中もずっと空にいたのに、誰も気がついてくれないばかりか、
人々は太陽だけを喜んで迎えたからです。

がっかりした月は自分の間違いに気付き、後悔しました。
それ以来、月は傲慢な心を捨てて、夜だけ輝くようになりました。
明るい星たちが散らばる空に月が静かに輝いて、
夜はこれまでよりもっと美しいものになりました。

アジアの星物語 海部宣男監修 「アジアの星」国際編集委員会 編
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