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太陽と月の神話101  太陽神と結婚した娘(ギリシア) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、ギリシアに伝わる太陽にまつわるお話をご紹介しましょう。

昔々のこと。
長いこと子供のいなかった夫婦に、ようやく女の子が生まれました。
しかし、その女の子は8歳までしか生きられないという神のお告げがあったのです。
「8歳で死ぬるのならば、いっそ小さいうちに命を絶ったほうが
私たち夫婦の悲しみも小さくてすみますよね」と夫婦で話し合い、
女の子を木箱に入れ、「太陽神の嫁になりますように」と願いながら
海に流したのです。

何日も何週間も海を漂った木箱は、地の果ての島にたどり着きました。
そこは太陽の島。
太陽神が、姉妹とともに暮らしていたのです。

木箱に気付いた姉妹が木箱を開けると
中には成長して美しい娘となった女の子がいました。

やがて日が暮れ、太陽神が宮殿に戻ってくると、
まっさきに食事をし、すっかり満腹になったところで
姉妹は木箱のことを話しました。
さもないと空腹の太陽神が女の子を食べてしまうかもしれないからです。

太陽神は女の子に「こんな遠いところによくきたね」とやさしい言葉をかけました。
その瞬間、太陽神に恋してしまった女の子は、
太陽神を好きだから力を貸してほしいと姉妹に頼みました。

翌日のこと。
日が暮れて太陽神が戻ってくると
姉妹はまず空腹を満たすため食事をさせてから、
女の子に太陽神の入浴を手伝わせました。

女の子が太陽神の体にそーっと水をかけると、
そのとたん、太陽神は娘を好きになってしまいました。

こうして太陽神と女の子は結ばれたのですが、
太陽神は妻である女の子と片時も離れたくないと思い、
地上を照らしにいくのをサボるようになりました。
そのため曇りの日が何日も続きます。

しかし曇り日ばかりの毎日に、
姉妹は太陽神の心を奪った女の子を憎らしく思うようになり、
殺してやろうとまで思うようになってしまったのです。

姉妹のその思いに気付いた太陽神は
地上を照らしにいくときには必ず妻を連れていくようになりました。
いつも一緒にいられて、ふたりは幸せです。
いつも光に満ち溢れています。
そして、その光が注がれて、地上の人間たちはもっと幸せ!


参考:『太陽と月と星の民話』日本民話の会&外国民話研究会 編訳(三弥井書店)

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