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太陽と月の神話 75 月は腰の曲がった老人 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
本日ご紹介するのはオーストラリア大陸の先住民アボリジニに伝わるお話です。

昔々、ひとりの年老いた男が親類の若者二人と暮らしていました。
男は筋金入りのぐうたらで、若者達がとった獲物を横取りして暮らしていました。
年長者だからと我慢していた若者達もある日ついに勘忍袋の緒がきれて
老人のもとから逃げ出しました。
しばらく走って空腹を覚えた二人は、大きなヒクイドリをしとめました。
早速火であぶって食べようとした瞬間、彼らは部族の掟を思いだしました。
「確か、年上の人間から肉をうけとれば・・・」
「食べていいんだよな。」
ふたりは相談の結果、例のぐうたら老人を利用することを思いつきました。
わざと高い岩に登って老人を呼び出し、
ヒクイドリをみせびからす若者達。
空腹の老人が「旨い所をよこせ」というと一切れの脂身を放り投げました。
老人はこれに激怒して、脂肉を投げ返すと、
若者のひとりがみごとキャッチ。
とにかく老人から肉をうけとったのです。作戦成功です。
なまけもの老人は肉を食べている若者たちのそばにいきたくてしょうがありません。
でも、岩場をのぼる自信がありません。

するとふたりは「岩に木をたてかけて登ってきたらどうです?」
と言いました。
それに応じて、木を探し、手ごろな枝をみつけて何とか岩場にのぼりました。
しかし、若者はさらに上の岩場に移動しています。
老人はさらに長い棒を探してきて、岩場にたてかけて登り始めました。
しかし、後一歩というところで転げ落ちてしまいました。
幸い命はとりとめたものの、それ以来ひどく腰がまがってしまいました。
この老人が死後、月になりました。
だから、月はときどき腰が曲がってみえるのです。

参考文献 太陽と月の伝説  森村宗冬著 新紀元社

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