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太陽と月の神話 第131回  娘にとらえられた月 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
第131回目の今回は、ロシアに伝わるお話をご紹介しましょう。

むかしむかし、とある宿営地に美しい娘がいて、トナカイの群れを飼っていました。
ある真っ暗な蛮、トナカイの群れをおって、ツンドラを歩いていると、ふいに一頭のトナカイが
空をみあげて叫びました。
「早く隠れるんだ。月があなたを天に引っ張っていこうとしている!」
トナカイが娘を大きな雪の吹きだまりの中に、隠して、雪をかけおわったところに
月がそりにのってやってきました。
月はあちこち探したけれど、娘をみつけられなかったのでそりにのって帰っていきました。

娘は吹きだまりから這い出して、雪をおとして、テント小屋の中に入っていきました。
しばらくするとトナカイが駆け込んできて、
「月がまたそりに乗ってやってくる。あなたを天上にさらっていくつもりだ」
と言うと、片足で地面をけって、娘を火に変身させました。
火は赤々と燃えています。
そのとき、月がテントの中にはいってきて、探し回りましたが、
娘をみつけることができませんでした。
月はあきらめて帰ろうとしていましたが、
娘はがまんできずにくすくす笑い出しました。
「私はここよ!」と言ってしまいました。

月は火に姿をかえている娘を捕まえようとしましたが、
熱くてつかめません。
娘はもとの姿に戻ると、月を倒して、縄でしばりあげました。

月は泣いて頼みます。
「放してくれ! もう二度と地上にはこない。天上に住んで、
夜になったら人間のために道を照らすから」
娘は月がかわいそうになり、縄を解いてあげました。

そのときから月は夜だけ空に昇るようになり、
人々が道を間違えないように
照らしています。

参考文献 世界の太陽と月と星の民話 外国民話研究会  三弥井書店







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