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太陽と月の神話 114 月の家をたずねた男 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回はカナダの先住民族イヌイットに伝わるお話です。

あるとき、ひとりのイヌイットが月の家を訪問しようと思い立ち、
月夜の晩に自分の家のあかりをすべて消して、暗闇の中に座っていました。

すると彼を守っている精霊があらわれました。
「お前は月に行きたいのだろう」
「はい、是非とも連れていってください」

精霊が男を抱きかかえて、空に飛びあがり、間もなく男は月に着きました。
月の家は鹿の皮をはりつめたこじんまりした作りで、
全体が青白い光を放っています。

男は不思議に思いました。月が家の前に座っているからです。

「家の中には誰がいるんだろう?」
男がこっそりと中をのぞくと、部屋にいたのは太陽でした。
太陽は月の妻だったのです。

のぞかれていることに気がついた太陽は猛烈に火炎を発したので、
太陽の姿はたちまちみえなくなりました。

月世界の大草原にはたくさんの鹿が歩きまわり、大きな家には多数のアザラシが泳ぎまわっていました。
「月さん、すごいですね」と男が言うと。
月は、「こんなものでよければ、好きな動物を一頭ずつあげるよ」
男が大喜びで気にいった鹿とアザラシを選びます。
月が選びだされた2頭にそっと手を触れると、2頭は月から地上に落ちて行きました。
鹿・アザラシはこうした次第で、地上にあらわれ、
イヌイットたちにとってかけがえのない獲物となったのです。

参考文献 太陽と月の伝説  森村 宗冬著  新紀元社







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