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太陽と月の神話 90  アイヌの太陽神 [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、アイヌの人々が連綿と言い伝えてきた叙事詩『ユーカラ』から
太陽神の神話をご紹介しましょう。

このストーリーは、第57回にご紹介した『アイヌの太陽女神』と非常によく似ています。
どちらが原型か、あるいは他に原型があるのかはわかりませんが、
おそらく地域地域で微妙に形を変えていったものでしょうね。

魔神モシレチクチク・コタネチクチク・モシロアシタ・コタノアシタは
太陽神を飲み込もうとして、日の出のときと日の入りのとき、
大きな口を開けて待ちかまえていました。
それを恐れた太陽神は、日の出にはキツネを2、3匹、
日の入りにはカラスを1、2羽、その口に投げ込んで、
魔神がモグモグと噛んでいる間に通っていたのですが、
ある日、とうとう魔神につかまってしまいました。

世界は真っ暗になり、
人間も神々も全てのものがまるで死んだように眠ってしまいました。
その中に目が覚めていた神様がいらして、
神の子でありながら人間に育てられた英雄アイヌラックルに助けを求めたのです。
次にケムシリ山の神様もまたアイヌラックルを訪ね、
窮状を救ってくれるようにと頼みました。

そこでアイヌラックルは魔神のところへ行き、
6つの木箱と、6つの金製の箱、
さらに6つの岩でできた箱に閉じ込められていた太陽神を助けだしました。
そして太陽神を船の帆にくくりつけて
天を目がけて投げたのです。

こうして地上はようやく明るくなりました。

アイヌラックルはその後、地下世界で魔神を相手に
6つの夏と6つの冬を越す長い間、闘い続け、
魔神を退治したということです。


参考:『世界の太陽と月と星の民話』
    編訳・日本民話の会、外国民話研究会(三弥井書社)

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