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太陽と月の神話 54  曙の女神エオス [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、ギリシア神話に登場する曙の女神エオスをご紹介しましょう。

エオスは曙、つまり朝の開け始めるころに現れる、
白く美しい翼をもった女神です。
そのきょうだいは太陽神ヘリオスと月の女神セレネ。
ヘリオスが空に現れる前に天空にのぼり、
その白い翼を広げ、炎の色をした髪の毛を振りあげます。
すると空一面がかすかに金と赤の光でいろどられ、
ヘリオスの登場と、
それによって日の出が間近いことを神々や人間たちに伝えるのです。

エオスは、ティタン神族のアストライオスを夫とし、
風たちと星々を生みました。

しかし彼女は貞淑な妻ではありません。
それどころか、恋多き女神だったのです。
しかも、その恋はことごとく不幸な結末に至りました。
というのも、エオスは美の女神アフロディテに呪いをかけられてしまったから。

アフロディテは戦いの神アレスを愛していました。
ところがアレスはエオスに心を奪われていて、
いつもエオスを追いかけ回しています。
それを知ったアフロディテは、激しい嫉妬にかられ、
エオスが神よりも人間を好むように仕向けました。
そのためエオスは地上に行っては
人間の若い男を天上界に連れてくるのですが、
人間はどんどん年をとり、いずれ死を迎えます。
愛する者を亡くすという結末こそ、アフロディテの呪いの結果。
こうしてエオスは常に孤独感にさいなまれ続けたということです。



参考:「ギリシア・ローマ神話文化事典(原書房)」「太陽と月の伝説(新紀元社)」

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