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太陽と月の神話44 太陽に叱られた月 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。
太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
本日ご紹介するのはカナダの先住民族イヌイットの神話です。

昔、昔、小さなカメが稲妻を材料として太陽と月を造りました。
太陽は男で、月は女、二人は夫婦となりました。
月は身体の大きさも太陽と同じで、夫に負けない光を放っていました。
カメは太陽と月の夫婦にいいました。
「君たち夫婦は大地の端にあいている穴を通って天空を行き来しなさい。
ただそれについてひとつだけ注意がある。
必ず二人別々に行動することだ。
決して一緒に天空を行き来してはいけないよ」と。
カメの言葉を守り、別々の時間に天空にむかう太陽と月。

ところが、ある日、少し急いで月が家をでたために、
穴の入口付近で太陽と一緒になってしまいました。
怒って月を叱りつける太陽。
あまりの剣幕の恐ろしさに月は小さくなり、青ざめて光も薄れていきました。
月の様子を不審に思ったカメがたずねると
月は切々と太陽に怒られた話をしました。
可愛そうに思ったカメが月を元の大きさに戻してやりましたが、
輝きだけは戻りませんでした。

月は現在、カメの言いつけを忠実に守って天空を行き来しています。
それでもしばしば太陽に叱られた事を思い出し、
恐怖のあまり身を縮めてしまいます。
そのため月は満ち欠けを繰り返しているのです。

参考文献 太陽と月の伝説 森村宗冬 新紀元社
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