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太陽と月の神話172 阿修羅(アスラ)神族の王・ヴィローチャナ [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回は古代インドのアスラ神族の王であり、太陽神であるヴィローチャナのお話です。

ウパニシャッドという、サンスクリット語で記された一連の哲学書・神学書に
ヴィローチャナについての神話が書かれています。

阿修羅(アスラ)神族の王ヴィローチャナは、
「アートマン(我)とは何なのか」という疑問を解くため、
インドラとともに
尊師プラジャー・パティのもとを訪れました。
というのも、パティは
「アートマンを見出したものは一切の世界を得るし、
すべてに満足できるだろう」と述べていたからです。

パティは、ヴィローチャナとインドラとに対して
「水面に映った自分の姿を見てみなさい」と言いました。
それこそがアートマンなのである、というわけです。
そこでふたりは言われたとおりに水面を覗いてみました。

こうやって、ふたりは納得して帰ったのですが、
インドラは途中で疑問が浮かんだため、
パティのもとに引き返しました。
その後、パティに師事しつつ32年間という長い間、修行を積み、
アートマンが何であるかを体得しました。

一方のヴィローチャナは、阿修羅神族のもとに戻り、
「現実として見えるものにアートマンが宿るのだ。
つまりは、現実こそが真実である」という教えを説いたということです。

このヴィローチャナこそ、密教における大日如来であり、
インドの言葉にすると「大いなる、あまねく照らすもの」、
つまり太陽を意味するのだとか。


参考:「太陽と月の神話」森村宗冬(新紀元社)



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