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太陽と月の神話 53  英雄ギルガメシュを助けた太陽神シャマシュ [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、メソポタミア神話に登場する太陽神シャマシュをご紹介しましょう。

シャマシュは、月の神シンを父に、ニンガルを母として生まれました。
彼の両肩からは光が放たれ、
その神殿は「白い家=エバッバル」と呼ばれていました。
太陽神にして、運命を司り、生きる者と死者との王であり、
法律を与える神でもあります。
というのも正義を愛し、悪をとことん懲らす、
いわば正邪を審判するのがシャマシュの役目だからなのです。
私たちが世界史の授業で習ったハンムラビ法典は
このシャマシュがハンムラビ王に与えたと伝えられています。

さて。
羊飼いの王ルガル・バンダと、牡牛の女神ニンスンには
ひとりの息子がいました。
その名はギルガメシュ。
彼は、3分の2が神で、3分の1が人間。
ギルガメシュはシャマシュのお気に入りでした。

長じてギルガメシュは王様になりました。
彼は武勇の達人であったけれど
次第に傲慢になり、人々を苦しめるようになりました。
そこで神々は彼を懲らしめるため、
ひとかたまりの土から野人エンキドゥを作り
ギルガメシュの元に送りこみます。

しかしギルガメシュとエンキドゥの間には友情が芽生え、
ふたりで冒険の旅に出ます

ある日、ふたりは西にある大きな森に住む野獣フンババ退治に出かけました。
フンババの叫びは洪水という武器となり、
その言葉は火であり、その息は死。
たとえ神々といえども、彼に立ち向かえるものはいない。
そう言われたフンババを退治しようというのです。

ギルガメシュとエンキドゥは意気揚々と森へと向かいます。
しかし森の入口で、ギルガメシュは急に怖気づいてしまいました。
そこで太陽神シャマシュに祈りを捧げます、
「どうか私に力をお与えください」と。
シャマシュはあらん限りの力を彼に与えます。

森に入り、フンババに出会ったギルガメシュとエンキドゥは
懸命に闘ったのですが、形勢は不利。
フンババは牙をむき出し、火を噴きながら
嵐のような唸り声をあげて近づいてきます。
そのとき太陽神シャマシュの声が聞こえました。
「ギルガメシュよ、恐れずにフンババの目に風を吹き付けるのだ!」。
気を取り直したギルガメシュは、天にいるシャマシュに向かって
「どうか風を送ってください」と頼みました。
するとシャマシュは強い風を吹かせてくれたのです。
13の風がフンババに向かって吹きつけため、
前に進むこともできなければ
後ろに退くこともできなくなったフンババは、
ギルガメシュとエンキドゥの手によって首を切り落とされました。

こうして太陽神シャマシュの援護により
ふたりは無事にフンババ退治に成功したのでした。


参考:「世界の神々(日本文芸社)」・「世界の神話(青土社)」・「中近東の神話物語(研秀出版)」

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