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太陽と月の神話23 岩に乗って運ばれた太陽と月の神 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。
太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
本日ご紹介するのは朝鮮の古い国新羅のお話です。

遠い昔のこと、新羅の国の迎日湾のほとりに、延烏郎(えんうろう)と細烏女(さいうじょ)
という名の老夫婦が住んでいました。
ふたりは漁をしたり、海藻をとったりしながら、貧しいながらも
幸せな毎日を送っていました。

ある日のこと、延烏郎が海で海藻をとっていると、
突然のっていた岩が動き出し、どんどん流れていきます。

延烏郎をのせた岩は海を越えて、日本に流れ着きました。
日本では、どこからともなく老人がやってきたので大騒ぎ。
「この方は神様に違いない」と延烏郎を王様として迎え、手厚くもてなしました。

その頃、新羅では、延烏郎がいなくなった日から、太陽が昇らなくなってしまったのです。
人々はわけが分からず、右往左往してました。

いっぽう細烏女は夫がなかなか帰ってこないので、
真っ暗な海岸を一人で探しまわっていました。

細烏女が疲れて果てて、岩にこしかけたとき、その岩の横に
延烏郎のぞうりが脱ぎ捨ててあるのをみつけました。
「夫は海におちて死んでしまった?」
嫌な予感が頭の中をよぎった瞬間、岩が動き出しました。
茫然とする細烏女をのせて、日本へと流れていきます。

日本では、不思議な老人の次に、老女まで流れついたので大騒ぎ。
早速、老女を王様である延烏郎のところにつれていき、
二人は再びめぐりあうことができたのでした。
細烏女は王妃として、迎えられ、異国の地で何不自由なく暮らせるようになりました。

新羅の国では、太陽ばかりでなく、月までなくなって、
真っ暗になってしまいました。
困り果てて、占い師に相談したところ、
「太陽の神と月の神の夫婦が日本にいってしまったので、
このような暗黒の世界になった」というお告げがでました。

新羅の王は早速二人のもとに使者を送って、呼び戻そうとします。
海のむこうからはるばるやってきた使者に頼まれても、
延烏郎は「この国にきたのは天の思し召し」と言い張って
帰ろうとはしません。
延烏郎はそのかわりにといって、細烏女の織った細絹を使者に渡しました。
使者たちはこの細絹を持ち帰り、天に高く掲げて、祭祀をおこないました。
すると祭りが終わると同時に暗闇の中に光がさしこみ、
太陽が顔をだしました。
夜には光輝く月が昇り、新羅の国はようやくもとどおりになったのでした。

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