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太陽と月の神話 166  太陽神ヘリオスの息子パエトン [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回はギリシア神話に登場する太陽神ヘリオスの息子パエトンのお話です。

パエトンは、太陽神ヘリオスと、その恋人クリュメネとの間に生まれた子供です。
クリュメネは、エチオピア王妃。
彼女にひと目惚れしたヘリオスが強引に思いを遂げたことによって
生を受けた男の子でした。

エチオピアの王子として育った少年パエトンは、
ある日、自らの出生の秘密を知ると、
太陽の子であることに大喜びし、
勇んで実父であるヘリオスに会いに行きました。

ヘリオスは、はるばる訪ねてきたパエトンを自分の子だと認め、歓迎しました。
そしてパエトンの願いを聞いてやることにしたのです。
その願いとは、太陽神ヘリオスが父であることの証として、
太陽の馬車の乗り、天空を旅したい、というもの。
太陽馬車は、大神ゼウスですら不可能なほど操縦が難しく、
少年であるパエトンになど任せられるわけがありません。
しかし説得に疲れ果てたヘリオスは、1日だけという条件で
息子の願いを聞き入れてしまったのです。

4頭立ての太陽馬車は、パエトンを乗せて天空へと躍りだします。
と、巨大なクマ、大蛇など星座となった怪物たちが現れ、
パエトンを驚愕させます。
それと同時に、4頭の馬たちも恐怖で暴れだしました。
パエトンには太陽馬車を操る技術もなければ、
暴れる馬を制御するだけの力もありません。
正しい太陽の軌道を外れた馬車は、東西南北と好き勝手に走り出し、
ときには地上すれすれまで降りてきます。
そのため地上は大変な暑さとなり、大地は焼け、水は干上がり、
作物は全滅。
パエトンの故郷であるエチオピアに至っては、人々の肌が真っ黒に焦げてしまうほど。

このありさまに、このままでは世界が滅びてしまうと案じた大神ゼウスは
太陽馬車に向かってカミナリを使わしました。
カミナリに打たれたパエトンは、即死。
地上へと落下していったのです…。

太陽神ヘリオスは、息子の死を嘆き悲しみ、
全ての責任は、能力もない息子に太陽馬車を任せた自分にあると自らを悔い、
太陽神としての仕事を放棄してしまいました。
すると世界は真っ暗闇に包まれ、人々はもちろん、神々も困り果てることに。

しかし神々とゼウスとの懸命の説得と叱責により
ヘルメスは、息子の死を乗り越え、元の職務、つまり太陽馬車の運行に戻ったのです。
こうして再び地上には昼が戻ったということです。


参考:「太陽と月の伝説」森村宗冬著(新紀元社)




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