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魔女コレクション 43  『魔女とほうきと黒い猫』菊池章太 [魔女コレクション]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

小泉茉莉花とマリィ・プリマヴェラは太陽と月の魔女と名乗っているので、
只今魔女修行中です。
というわけで、「魔女!」という言葉にとても敏感。
映画・小説・グッズ、そして魔女のお話など
太陽と月の魔女がみつけた魔女にまつわるものを
ブログ【太陽と月の魔女】でご紹介していきたいと思います。

「魔女コレクション」第43回は、本のご紹介。
菊池章太著『魔女とほうきと黒い猫』(角川ソフィア文庫)。

IMG_2799.jpg


著者の菊池章太さんはカトリック神学、比較宗教史の学者さん。
現在、東洋大学で教えていらっしゃるそうです。
たくさんの本を書かれていますが、
ここで御紹介するのは
今年の2月25日に出版されたばかりの本。

帯に「魔女の宅急便がもっと深く楽しめる!」とあるので、
実写版の映画「魔女の宅急便」に引っかけてあるのですね。

帯だけではありません。
本文も「魔女の宅急便」のキキが頻繁に登場します。
キキの場合はこうだけれど、
これは歴史的に見ると…、といった具合。
だから、とても読みやすい。
長い歴史の中の魔女を考察していて
内容的には濃いのだけれど、
語り口も柔らかいし、キキが何度も登場するしで、
スイスイと読み進めることができます。

中でも印象的だった部分を抜書きしてみましょうか。

「魔女は古めかしい恰好をしている。
黒ずくめの服を着て、ほうきにまたがり、黒猫といっしょである。
もちろん恰好だけではない、
つみあげてきた経験をたいせつにする魔女の生き方のなかに、
現代の私たちがうしないかけているものがあるかもしれない」(著者)
「千年ものあいだ、人々にとって唯一の医者は魔女だった」
(19世紀のフランスの歴史家ジュール・ミシュレ)

そう、魔女は怖い存在でもなければ
迷惑な存在でもない。
魔女とはたくさんの経験を得て、それを知恵とし、
ときに医者がわりとなり、
ときに人生相談の相手となり、
人の役に立つ存在だったのです。

けれど長い歴史の中で
普通の人とは違った「経験値の高い女性(ときには男性も)」を、
人々は邪魔者扱いし、迫害し、また怖れてきました。

そんな中で、グリム童話に代表されるように
あるいはディズニーアニメに見られるように
怖い魔女のイメージが定着していった…。

そんなことを時間軸に沿って考察している本なのです。

でもね、何度も言います、難しい本ではない。
むしろ、とても読みやすい。
だってね、著者の菊池章太さんは
「現代に生きる魔女の物語が何倍もおもしろくなるような、
でもちょっとこわい「魔女のお話玉手箱」をめざした…」と
言ってらっしゃるのですから。


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