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太陽と月の神話 74  水によって天空に昇った太陽 [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、アフリカ大陸西部のナイジェリア地方に伝わる太陽の神話をご紹介しましょう。

遠い昔、太陽と月は夫婦でした。
太陽が夫で、月は妻です。
太陽の親友は、水。
その時代、太陽は地上に住んでいて、
親友である水の家にしょっちゅう遊びに行っていました。

ところが、そのお返しにと、
太陽が「ぜひ私の家に遊びにいらっしゃい」と水を何度も誘ったのですが、
その話はいっこうに実現しませんでした。
それを不満に思った太陽が、どうしてなのかと尋ねると
水は「あなたの家は小さいからなぁ…」と言うのです。
友達をいっぱい連れて太陽の家に押しかけると
太陽と月の夫婦の居場所がなくなってしまうというわけです。
どうしても自分の家に来てほしいなら
大きな家に建て替えてくれよ、と注文までつけて。

しかし太陽は親友の言葉に大喜びしました。
家を大きくしさえすれば、あの水が遊びに来てくれるのですから!

太陽は妻である月と力を合わせて
新しい、大きな家を作りました。
その大きさに、きっと水や水の友達たちは驚くだろうと思うと、
もう嬉しくてたまりません。

ほどなくして新しい家が出来上がりました。
そこで、水をこの出来上がったばかりの自宅に招待しました。
やってきた水は、友達の魚たちを大勢引き連れ、
太陽の家に入りました。
すると水はあっという間に膝くらいの高さになりました。
「もっと入ってもいいかな?」と水は太陽に聞きます。
「もちろん、いいよ」と太陽は答えます。
すると家の中に水がどんどん流れ込み、
とうとう頭くらいの水かさになりました。

それでも水はたずねます、「まだ入ってもいいかな?」。
本当はちょっと困った太陽でしたが
せっかく水を招待したのだからと、「大丈夫だよ」と答えます

こうして、太陽と月の夫婦は、家いっぱいに水が入りこんでしまったため、
屋根の上に上がらなくてはならなくなりました。
ところが、そんな状態になっても、水はまだ「入ってもいいかな?」と尋ねます。
そして太陽は変わらず「いいよ、大丈夫だよ」と答えます。

こんなことを繰り返したあげく、太陽と月は天空まであがらざるをえなくなりました。

今、太陽と月が空で輝いているのは
こんな理由があったからなのです。



参考:森村宗冬著「太陽と月の伝説」新紀元社

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