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太陽と月の神話41  太陽とオオカミ [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、アメリカ先住民であるカドー族の神話をご紹介しましょう。

その昔、太陽は非常に早く移動していました。
それこそ東の空に日がのぼったと思うと、あっという間に西へと動き、
姿を消してしまうのです。
これでは生活をすることができません。
なによりも、大切な食料を作るための農作業ができないのですから。

人々は頭を寄せ合い、なんとかして太陽にもっとゆっくりと動いてもらう方法を考えました。
その結果、オオカミが太陽と直接、話し合いをすることとなったのです。

オオカミは太陽が昇る東へと向かいました。
そして太陽が姿をあらわすと、すかさず声をかけました。
太陽は答えます、「忙しいのだ、お前とゆっくり話などできない」と。
「それならば歩きながらお話しましょう」とオオカミは返事をします。

こうして太陽とオオカミは一緒に歩き出しました。
太陽はいつものように、走るようにして西に行きたいのですが、
オオカミの歩みはのろく、
それにつられて自然とゆっくりと歩くことになってしまいます。
しかもオオカミは本題に入らずにとりとめのない話ばかりを続け、
太陽の歩みはますます遅くなっていきました。

西の果てに着いたとき。
オオカミは「ちょっとトイレへ…。すぐに戻ります」といって姿を消しました。
太陽としたら、まだ用件を聞いていないので
西に沈むわけにもいきません。
後ろを振り返り、振り返りしながら、オオカミが追いつくように、
実にゆっくりと歩いていきます。

こうして太陽はオオカミの話を聞くために
その移動速度が遅くなったということです。


(「太陽と月の伝説」新紀元社)




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