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太陽と月の神話187  太陽、魂を吹き込む(トリンギット族) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回はアラスカのトリンギット族に伝わる太陽の神話です。

遠い遠い昔、この世には何もなく、誰もいませんでした。
誰もいないとはいっても、1羽のワタリガラスはいたのです。
そのワタリガラスは素晴らしい力を持っていて
地上のすべてのものを創り出しました。
人間はもちろんのこと、山や川、あらゆる動物や鳥、魚、木々、岩、風までも!

ところが、せっかく創ったにもかかわらず、
それらはまったく動きませんでした。
まるで凍り付いたかのように、ビクともしないのです。
というのも魂が入っていなかったから。

そこでワタリガラスは1羽の若いタカに
火の玉、つまり太陽を取ってくるようにと命じました。
とても危険な話ではあったけれど、タカは命に従いました。
そして熱に身を焼かれ、熱さと痛さに泣きながらも、
ようよう火の玉を持ち帰ることができたのです。
そして、火の玉の炎を、この世のあらゆるものに投げてやりました。

すると、すべてのものに魂が吹き込まれ、
動物や鳥、魚たちは生き生きと動き出し、
木々はすくすくと伸びていったということです。


参考:「森と氷と鯨-ワタリガラスの伝説を求めて」星野道夫(世界文化社)




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