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太陽と月の神話221  太陽になった息子(スリランカ) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今日は、スリランカ中部に伝わる太陽にまつわるお話をご紹介しましょう。

あるところに年老いた夫と妻、それに姉と2人の弟の5人家族がいました。
ところが夫は突然、亡くなってしまいました。
そこで家族の暮らしは3人の子供が支えることになったのです。

ある日、3人は農家の手伝いに行きました。
手間賃こそもらえないものの、仕事の後はごちそうを食べ放題。
姉と兄は、家で食べるものもなくお腹を空かせている母親のことなどすっかり忘れ、
夢中でごちそうを食べました。
一番下の弟は、食べているうちに母親のことを思い出しました。
「お母さんの分を少しもらっておこう」そう思い、
誰にも分らないように、爪の間に食べ物をそっと挟んだのです。

家に帰った姉弟に、母親は尋ねました、
「私の食べ物を持ってきてくれたかい?」。

姉は「なにもないよ、たっぷり食べちゃったから」と返事をしたため、
腹を立てた母親は姉娘を呪いました。
その結果、今では彼女は大粒のお米になって、
地獄の大釜みたいに熱く煮えたぎる泥田の中にいます。

上の息子は「大急ぎで食べたから、なにもない」と答えたため、
母親の呪いによって太陽になってしまいました。
太陽はいつも大急ぎで走り回って、休む暇もないのです。
それこそ人がちょっと瞬きをする間に250万里も走っているのだと言います。

爪の間に食べ物を挟んで持ち帰った下の息子は
母親に皿を持ってきてもらうと
その縁にトントンと爪をぶつけました。
すると、食べ物は見る見るうちに増えていき、皿からこぼれるほどに。
そこで母親の願いのとおり、下の息子は月になり、
常に涼しい風に包まれているのです。


参考:「太陽と月と星の民話」三弥井書店


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