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太陽と月の神話182  二郎神、9つの太陽を抑え込む(中国) [太陽と月の神話]

こんにちは。太陽の魔女マリィ・プリマヴェラです。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回は中国に伝わる太陽の神話です。

その昔、空には太陽が10個出ていました。
そのため昼も夜も強烈な日差しにさらされて、
草木は枯れ果て、人間も動物たちも生きてはいけず、
地上は荒れ放題に荒れてしまいました。

それを知った道教の最高神である玉皇大帝(ぎょくこうたいてい)は、
凄い法力を持った三つ目の二郎神(じろうしん)に
なんとかして太陽を1つだけ残し、残り9つは処分するようにと命じたのです。

命を受けた二郎神は天上界から地上へと降りると
ふたつの山を天秤棒で担ぎ、太陽を追いかけました。
太陽を山の下に封じ込めようというのです。
7749日もかけて、ようやっと9つの太陽を山の下に押さえつけることができました。
玉皇大帝からの命令をやり遂げたというわけです。

ところが疲れ果て足が棒のようになってしまった二郎神は
天に戻って玉皇大帝に報告する力もありません。
しかも2つの山を担いでいた天秤棒は折れてしまっています。
何を考えたのか、二郎神は最後の力を振り絞り、
折れた天秤棒と、そこにぶら下がる山をかついで
残る太陽を追いかけたのです。

しかし、さすがの二郎神も疲れには勝てず、
それまでの飛ぶような走りは、のろのろとした歩みにかわり、
途中で本当に動けなくなってしまいました。
しゃがみこんで休みをとり、
どれ、もうひと息頑張ろうと立ち上がって、山を担ごうとしたのですが、
どうにも持ち上げることができなくなってしまいました。

こうして最後の太陽は、山に抑え込まれることもなく、
現在のように空から光をはなっているというわけです。


参考:「太陽の月と星の民話」日本民話の会・外国民話研究会/三弥井書店


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